「色」を扱う仕事を、ずっとしてきました。
AetherForge Lab は、模型製作のための色彩ツールを開発する、小さな個人ラボです。今は、iOS アプリ「Iris」の開発を進めています。
この場所を始めた人間について、少しだけ書きます。
陶芸の釉薬から、すべてが始まりました。
デザインの専門学校を出たあと、しばらく陶芸家として土と向き合っていました。釉薬の色は、計算通りには出ません。窯の温度、土の湿り、その日の気候 ― 同じ配合でも、焼くたびに違う色が立ち上がります。
その不確かさが、面白くもあり、苦しくもありました。「狙った色」と「出てきた色」のあいだに横たわる距離を、いつも見つめていた気がします。
1/24 ラビドリードッグ(自作)
カメラを持って、人の色を撮りました。
幼少期からの夢だった、カメラマンの道に進みました。ウェディングフォトを中心に、人の最も美しい瞬間を、肌の色を、光の質を、何年も撮り続けました。アルバム制作まで自分で手がけ、印刷物としての色再現にも、骨の髄まで付き合うことになりました。
肌色の再現は、陶芸とは別の難しさがありました。光源、ホワイトバランス、印刷インクの特性 ― 数値で扱える領域がぐっと広くなる代わりに、ごくわずかな違いが、人の顔の印象を変えてしまう。
業界が変わり、機械の世界へ。
コロナで、業界が一変しました。結婚式の風景が変わり、写真の仕事の形も変わっていきました。
その頃、ドローン撮影に強い興味を持ちました。空から撮る写真、機械の精密さ、整備という地味で確かな仕事。今は、ドローン整備の現職と並行して、副業でデザインと開発の仕事も手がけています。
そして、模型に戻ってきました。
子どもの頃、ファーストガンダムの放送を、リアルタイムで観ていた世代です。模型は、人生のずっと脇にありました。最近またガンプラブームの追い風もあり、本格的に作るようになりました。
塗装をするたび、思いました。「アニメの設定色を再現する」というのは、想像以上に難しい。同じ機体を作るたびに、私は同じ迷いを繰り返していました。
陶芸でも、写真でも、塗装でも、同じことが起きている ― そう気づいた時、自分が長年向き合ってきたものが、ひとつの線で繋がりました。
色を、もう少しだけ、扱いやすくしたい。
その思いから、Iris の開発を始めました。